米国株に投資しているけびん(@kevinbloglife)です。
2021年2,3月は大きく金利が上昇し、相場は一時的に大きく荒れるシーンがありました。
それを簡単に理解するには以下のツイートが最も有用でした。
◆国債金利と政策金利
2001年からの米政策金利と米2, 5, 10年債金利のグラフです。不慣れな方にわかるようごく簡単な解説を添えています。金利に詳しい方が眺めても、改めて発見のあるチャートかもしれません。1カ月ほど前によく読まれました「金利と株価」のツイートも1番下に貼っておきます。 https://t.co/WyRu1ujFqB pic.twitter.com/TsB8vHtbap— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) March 20, 2021
金利の急上昇は景気回復を示し、金融相場から業績相場への移行を教えてくれていたのですね。なるほどと。
しかし基本の学び方がわからず困っている中で、師と仰ぐスタリオン氏が以下の本を紹介してくれました。
インフルエンサーのツイートを見て分かったフリして右往左往するよりも、自分で本を読んだり、調べたり、先人の知恵を学習するとか。
金利について勉強したい方は例えばこの本も分かりやすいし、実践的。
あとは自分なりに味付けすれば良いと思うし。 pic.twitter.com/gfnX5NdQQA— スタリオン🦄 (@investallion) February 27, 2021
まさに超実践的な本でした。ニュースを見れば様々な経済指標が多く、とてもじゃないけどすべて解釈するのは難しい。
そんなわたしたちにシンプルな答えを示してくれる「金利をみれば投資はうまくいく」。
その内容を今回まとめました。
金利の重要性
金融市場における「炭鉱のカナリア」は「金利」である。
炭鉱のガス臭を検知するために使われたカナリアと同等に、投資の世界で表面化していない景気の変調を教えてくれるのが「金利」であるとのこと。
2007年の株価下落局面(景気後退局面)、2008年末の株価上昇局面(景気後退の終了)のどちらにおいても、真っ先に景気の変化に反応したのは金利です。
米英GDPや雇用統計などの有名な経済指標であっても、以下の使いにくさがあります。
- 発表時期が遅い(すでに過去のデータ)
- 速報後、改定、確定まで何度も修正される
数ある中でも「いま」を表すのに有効な経済指標は「ISM製造業景況指数」であるとのことです。
景気予測に使える3つの金利とは?
金利の基本である、3つの金利を見ていきましょう。3つの金利とは政策金利、10年債利回り、社債利回りのことです。
1つ目の金利:政策金利(短期金利)
まずは政策金利について。
「政策金利」とは、中央銀行(米国:FRB、日本:日本銀行等)が金融政策によって市場金利を誘導する目標となる基準金利と言われますが、簡単に言うと、中央銀行が一般の銀行に融資を行う際に受け取る金利のことです。
2つ目の金利:10年国債利回り(長期金利)
次に10年国債利回りについて。じっちゃま(広瀬隆雄さん)は毎日見なさいと言ってますよね。
10年国債利回りとは、債券市場における10年国債の流通利回りのことで、流通利回りとは、債券市場で債券を購入し、満期まで保有し続けた場合の1年あたりの利回り(%)です。
簡単に言えば、流通利回りは、債券の収益率のようなもので、10年国債利回りは、国が今日から10年間資金調達をする場合のコストであり、期間約10年の市中金利の基準とも言えます。
3つ目の金利 社債利回りとは?
最後は社債利回り。
企業が発行する債券のことです。社債利回りとは、債券市場におけるその社債の流通利回りのことで、企業が今日資金調達をする場合のコストです。
国債の発行体はその国のみですが、社債の発行体は企業となるため、企業ごとに社債は存在し、それぞれ流通利回りは異なります。
景気サイクルと金利の関係
実際に有効なISM製造業景況指数をみていきましょう。
この指標は以下のサイトから速報値や過去トレンドを追うことができますよ。
ISM製造業景況指数は50が基準です。ISM製造業景況指数とは、ISM(全米供給管理協会)が発表する製造業の景況感を示す指標の1つで、米国の主要指標の中で最も発表が早く(当月分を翌月第1営業日に発表)、景気転換の先行指標として注目されています。
上記の過去の歴史からしても毎月チェックしたほうがよい指標といえますね!
最後に社債や株価のサイクルの図も参考になりますね。
サイクルは以下の3つに気を付けましょう。
- 信用サイクル:概ね10年のサイクルで景気と企業の信用力の関係を表します。
- 金融政策サイクル:概ね5年のサイクルで「景気回復、金融引き締め(利上げ)、景気減速、金融緩和(利下げ)」
- 在庫サイクル:売れ行き好調での在庫の減少→生産増による在庫の増加→売れ行き不振による在庫の増加→生産減による在庫の減少
金利から景気の局面を予測するポイント
景気の局面を予測するポイントは以下の通り。
- 長期金利は短期金利の先を行く、景気のバロメーター
- 長短金利差は景気の先行指標である
- 長短金利差がマイナスになったら冬接近
長短金利差が縮小し始めたら、景気が減速するサインです。逆に拡大し始めたら、景気が回復するサインとなります。
特に長短金利差の1%割れは、ISM製造業景況指数の50割れを懸念すべきである。超短金利差の0%割れは、景気後退局面入りの可能性大、一年後に要注意です。
上記の通り、シンプルでわかりやすいポイント。本当に金言が多い書だといえます。
まとめ
今回は「金利を見れば投資はうまくいく」の導入部分をまとめてきました。
他にも実際に実例から景気サイクルを予測する方法を具体的に述べているこの本。非常に読みごたえがありますよ!
ぜひ手に取ってみてくださいね。
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