こんにちは、米国株好きのけびん(@kevinbloglife)です。
Twitter米国株村でトップ中の知名度・実力を誇るじっちゃま(@hirosetakao)さん。
じっちゃまさんの数々の発言の基となる著書「MarketHack流世界一わかりやすい米国式投資の技法」についてまとめました。
はじめに米国株を学んだのはじっちゃまのYoutubeからスタートしまして、基本から応用まで知見が深いお方。たぶん日本人では右に出るものはいないはずです。
証券会社で長らく務めていた経験から、機関投資家の動きやマクロ経済の動き、個別株の決算情報の読み方、など非常にためになる話ばかりです。
最も芯のあるコメントは以下のもの。
👴じっちゃまの投資法
短期での株価の滑ったころんだ、上がった下がった、決算後に株価がどうなった、こういうことは一切無視して好決算を出した銘柄は愚直に抱く。次の決算もその次の決算も、株価は短期では乱高下するが、トレンドとしては上がっていく。これが決算を手掛かりにした僕のやり方。— ばっちゃまの米国株🇺🇸👵🏻 (@jicchamatome) October 15, 2020
「どんな銘柄でも決算がよければ、必ず上がっていく」という言葉は正義ですよね。
相場が全体的に悪くなる前には一旦売却し現金比率を上げる、などのリスクヘッジは多少必要かもしれませんが、上記の考え方は外せないもの。
1986年に証券界に入り、米国の投資銀行であるJPモルガン、SGウォーバーグなどで長らく経験を積んできた広瀬さん。
今週は最近IPOされた若い会社の決算発表が目白押し。IPO後初の決算発表はとても重要。これをとりこぼす会社は、見込みがない。もし「悪い決算」出したら、鼻くそピーン!と売り飛ばすこと。
— じっちゃま (@hirosetakao) February 28, 2021
常にハッキリとした物言い。いつもハッとさせられる言動ばかりです。
ぜひそんな広瀬さんの著書の概要をつかんでいただければと思います。
クリックできるもくじ
じっちゃまの投資術10か条
基本的な特徴は10か条に集約されます。
- 営業キャッシュフローのよい会社を買え
- 保有銘柄の四半期決算のチェックを怠るな
- 業績・株価の動きが荒々しい銘柄と、おとなしい銘柄をうまく使い分けろ
- 分散投資を心がけろ
- 投資スタイルをきちんと使い分けろ
- 長期投資と短期投資のルールを守れ
- マクロ経済がわかれば、投資家としての洗練度が格段に上がる
- 市場のセンチメントを軽視する奴は儲けの効率が悪い
- 安全の糊代をもて
- 謙虚であれ(投資の勉強に終わりはない)
どれも大切な鉄の掟です。
営業キャッシュフローは毎年着実に増えていること
広瀬さんは、企業を分析するうえでもっとも利用価値の高い尺度は、営業キャッシュフローである、と述べています。
大事な理由は、EPSや純利益(Net Income)よりも会計的にごまかしにくいからです。
営業キャッシュフロー(Total Cash Flow From Operating Activities):ある企業が商品やサービスを売ることで得た売上げ高から、原材料費などの支出を引くことで得られる現金収支を指す。
この営業キャッシュフローに関する大事な3つのルールは以下の通り。
- 営業キャッシュフローは、その年の純利益の数字よりも必ず大きくなければいけない。(そうでないと粉飾リスクあり)
- 営業キャッシュフローは、毎年確実に増えていることが望ましい。
- 営業キャッシュフロー・マージンが15~35%ある企業を狙うこと(高ければ高いほどよい)
なお営業キャッシュフローの定義は以下の通りです。
営業CFマージン = 営業CF ÷ 売上高(Total Revenue)
なお以下が広瀬さんが示す実例です。
アマゾン(AMZN)の場合、小売業という業態からして利幅は小さいです。営業キャッシュフロー・マージンは17%。これは小売業としてはとても素晴らしい数字。 pic.twitter.com/SIwIki5Z18
— じっちゃま (@hirosetakao) February 25, 2021
ついでだからアルファベット(GOOG)のチャートも示しておきましょう。営業キャッシュフロー・マージンは36%=立派! pic.twitter.com/949JlV0Uzv
— じっちゃま (@hirosetakao) February 25, 2021
【グラフの読み方】
- DPS: 一株当たり配当
- EPS:一株当たり利益
- CFPS:一株当たり営業キャッシュフロー
- SPS:一株当たり売上高
広瀬さんは、毎期ごとに上記のまとめ方をしておくことを勧めています。自分の保有株くらいはしっかり把握しておきたいですね。
売掛に注意
期末駆け込みの売上は、すぐにお客さんは支払いしてくれないから、売掛金が多く残ります。
そんな四半期の最後の月に売上高を無理やり作るような会社は悪い会社だといわれています。
その確認方法は以下の通り、DSO(デイズスタートアウトスタンディング)という売掛金の回収に要した日数を確認します。
DSO= 売掛金の残高 ÷ 1日平均売上高
売上が増えてもDSOが増えていると、無理したなとわかってしまいます。
保有銘柄の四半期決算のチェックをすること
まずは自分の投資している銘柄の決算発表日を把握することです。
その方法は以下のサイトを活用してください。
決算発表日を確認したら、次にやりたいのはコンセンサス予想を書き留めることです。
これはEPS(一株当たり利益)と売上高の両方についてです。
英語版ヤフーファイナンスのサイトでは
各銘柄のページにて「Analysts」というタブがあるのでそこで以下の情報を入手します。
Current Qtr.とNext Qtr.のどちらもです。
- Earnings Estimate (Avg. Estimate)
- Revenue Estimate(Avg. Estimate)
良い決算とは?
良い決算とは以下の3つのことです。
- EPSがコンセンサスを上回る
- 売上高がコンセンサスを上回る
- ガイダンスがコンセンサスを上回る
また上場まもなく決算を2回連続でしくじる会社はあきらめてください。ハードルを自由に設定できる初期段階で決算をしくじる企業に、安定した業績は見込めません。
良い株は、くる決算もくる決算も、毎回キッチリと予想を上回る株なのです。Earnings History(過去の決算の歴史)にてSurprise %を確認すること。毎回予想を上回ることが大事です。
ただし予想をたとえ上回っていても、市場の期待を超えていかないと株価は下がることもあります。市場には先見性があるからですね。
損切りのためのルール
損切りにはルールが必要とのことです。私もよくやられてきましたが、やはり以下の3つを気にしたほうがよいとのこと。
- 最初の損がベストだ(ウォール街の格言)
- トレンドラインを割り込んだ銘柄は売る
- 決算をしくじった銘柄を売る
リスクの分散について
一般に銘柄はある程度分散したほうが、ポートフォリオのリスクとリターンのバランスはよくなるといわれています。
20銘柄を超えるとリスク低減効果は無くなりますので、個人投資家は10-16銘柄に抑えたいところです。
またリスクは損と思われがちですが、
リスク ≠ 損をすること
ではなく、ボラティリティが大きい、ということです。
資産の分散をしていく上では、流動性・信用・市場のリスクなどを分散していくことを意識してポートフォリオを組む必要があります。
グロース株投資の注意点
グロース株での投資尺度で最も大事なものは以下の3つです。
- EPS成長率
- レラティブストレングス(RSI)
- 決算のサプライズ
これら上方修正の繰り返しがモメンタムの強さを生むのです。
なので市場全体が弱気になったときには、市場よりさらにこっぴどく売り払われて痛手を被る可能性があります。
買ってすぐ利が乗らないのなら、銘柄選択や買うタイミングを間違えた可能性があるので、さっさと売ってしまいましょう。
決算しくじったりチャートが崩れた場合に、未練がましく損切りが断行できない場合は、グロース投資には向きません。
まとめ
【じっちゃま】広瀬隆雄さんのMarketHack的米国式投資技法とは?【決算至上主義】という内容でまとめてきました。
広瀬さんの金言は常にためになるものばかり。
その金言の基礎となることは、まずは本記事や本書でしっかりと身につけておきましょう。
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