- 株価が下がり、売るのがもったい無くてまた元の値に戻るまで塩漬けしてしまった
- 株価が上がり、すぐ売ってしまったが、株価はさらに上がり損した気分になった
- 株価が下がり、損を帳消しにしようと買い増ししたら、さらに損してしまった
株やFXなどでこのような経験をされた方も多いかと思います。
わたしも同じように株価の変動に怯え、何度もミスをしてきました。
しかしそれは人間の心理的特性の影響によるもの。
お金に関わる心理学を知ってからわたしは、心理状態に左右されない投資を行うことで、着実に利益を出せています。
投資で負けたくないあなたへ向けて、ぜひ知っておいていただきたいことをまとめました。
たった4つに絞ってまとめていますので、最後までお付き合いください。
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うまく投資するには、4つの行動経済学を学ぶべき
代表的なものとして以下の4つを解説していきます。
- 損失回避の心理(プロスペクト理論)
- つぎ込んできた費用に固執する(サンクコスト)
- 失敗を成功に変えるため、自分を正当化してしまう
- 人々の思惑がマーケットを動かすことがある
どれも投資や資産運用をするうえで、必ず通らなくてはならないものです。
1.人は利益をとろうとリスクを避け、損失はゼロにしようとリスクをとる
人はお金に対する反応が、儲かるときと損するときとで変わりやすいのです。
2つの質問をしてみます。お金に対する人の反応に関する問いです。
Q1. 事業が成功し、賞与が出ることになりました。AとBどちらを選びますか?
- A 必ず80万円入っている
- B 100万円入っているが、15%の確率で1円も入っていない
Q2. 事業が失敗し、損失をメンバーの賞与を返して穴埋めすることになりました。AとBどちらを選びますか?
- A 80万円を支払う
- B100万円を支払うが、15%の確率でまったく支払わなくてよい
さて、Q1とQ2であなたの答えはどちらでしたか?
Q1では、大半の人は確実に80万円をとりにAを選択。
Q2では、圧倒的に多くの人が損失をゼロにしようとBを選択。
多くの人は確率的な判断をせずに、自らの心が満足するような答えを選んでしまう傾向にあるのです。
落ち着いて論理的に考えると、Q1、Q2ともに期待値が高いほうを確認すればよいのです。
Q1:Bのほうが期待値が高い
- A 期待値80万円
- B 期待値85万円(100万円×85%=85万円)
Q2:Aのほうが期待値が高い
- A 期待値マイナス80万円
- B 期待値マイナス85万円(マイナス100万円×85%=マイナス85万円)
またQ1、Q2の回答の組み合わせごとにあなたのタイプもわかります。
占いのようですが、案外当足りますよ。
Q1/Q2それぞれの回答ごとのタイプ
- AAと選んだ人:慎重なタイプで手堅いタイプ
- ABと選んだ人:損は早く、利は伸ばせ、という格言の逆を行きがちなタイプです。まさに過去のわたしであり、大多数の人のことです。
- BBと選んだ人:ギャンブラーです。勝つときは大勝ち、負けるときは大負けするタイプですよ。
- BAと選んだ人:損切りは早く、利は伸ばせという格言を直感的に対応できる人です。
損に怯える心理に対して、どう行動すればいいのか?
まず大切なことは、人間の心は弱いものだ、と自覚すること。
具体的な手段として、2つお伝えします。
人の心理に負けない方法
- 合理的に考えるよう訓練し続け、トレードを行う
- 合理的に考えるのは心理的負担が苦しいので、売買ルールの自動化や定期積み立てなどでほったらかし投資を行う
わたしの場合は2を選択しました。
もちろん1を選択し、途方もない苦労をしながら大勝ちしている方もいます。
しかし本業を持つ身としては、心理的負担を小さくするために、ルールを決めて自動的に実行することが得策と考えました。
なおここまで説明してきた心理的な揺れを「プロスペクト理論」といいます。
プロスペクト理論とは?
- 人間は確実な結果を好む
- 人間は利益を受ける場合はリスクを避けようとし、損失を被る場合はリスクをとろうとする
- 人間は表現のしかたによって選択を変える傾向がある
2.人は注ぎ込んできた費用にこだわる
経済学では、「富の現在の状態は意思決定に影響するが、過去の損得は影響しない」というのが前提です。
以下の例題(つぎ込んだ費用に関する心理)から人の心理の弱さを感じてみましょう。
Q3. ある鉄道会社で莫大な費用をかけて路線を延ばす工事を行っていました。しかし計画を洗い直すと、路線延長しても採算を取るのが難しいことがわかりました。
もしあなたが社長だとしたら、どんな指示をしますか?
- A. 延長工事を継続する
- B. 延長工事を中止する
この問いでは、Aを選びたくなりませんか?
頭の中では工事継続が得策ではないとわかっていながら、現実にはレールを敷くことを続けてしまう傾向となるのです。
過去に行った投資が間違っていたことに気づいたとしても、わたしたちは心理的にその投資にこだわってしまうということです。
このようにつぎ込んだ費用、つまり「支出した費用のうち回収不能な費用」のことをサンクコストと呼びます。
じぶんのもとにもう二度と戻らないお金なのに、判断に悪影響を及ぼしてしまうのですね。
つぎ込んだ費用に振り回されないために、どう行動すればいいのか?
すでに使ったお金には固執せず、できるだけ将来のコストと利益に目を向けて考えるように心がけることです。
もし為替が値下がりしたとしても、これまでどれだけの含み損があるか、を考えずに「今後どうなるか」を冷静に判断して、対応を考えましょう。
3.ヒトは失敗を受け入れず、正当化しようとする
投資家心理として「認知的不協和」というのがよく起こります。
認知的不協和が何かを理解するために、クイズを出します。(自己正当化)
Q4. Aさんはテクニカル分析に従って、X社の株を買ったところ、すぐに下がってしまいました。そのとき、Bさんはどう考えるでしょう?
- A. チャートに従っても成功しない場合もあるってことか、勉強になったな。損切ろう。
- B. X社は来年きっと業績がよくなるだろう。
この問いでは、Bを選択したくなってしまう方が多いはず。わたしもBの思考でよく失敗した経験があります。
明らかにチャートを読み違えて失敗したにもかかわらず、多くの人はそうした悪い事実を受け止められません。
X社の株を買ったという自分の行動を正当化させる理由づけを行うためBを選択しがちです。
現実を受け止めるストレスを回避するため、無意識的に理論的に考えられなくなるのです。
認知的不協和に対して、どう行動したらいいのか?
株を購入する場合、ノートに書き残すのもひとつの方法です。
特に記録すべきは株を買った理由です。
また将来の方針も記録すべきで、利食いと損切り価格を書いておくとよいです。
記録しておけば、自分をごまかすことができなくなるためです。
SNSやブログで発信して退路を断つのも良いでしょう。
4.自分の意志より、周りへの同調も必要
人々の思惑がマーケットを動かすことがある、という事象を為替心理説といいます。
フランスの経済学者アルバート・アフタリヨンが唱えたものです。
「ドイツが膨大な賠償金を負う」などのニュースが流れただけで通貨(マルク)が大暴落し、ドイツが異常なインフレになったという事例があります。
マーケットの参加者がニュースを聞いてマルクを売りに走り、レートを決定し、そのために物価が上昇したのです。
物価が上昇してインフレになり、そのため通貨が下落する、という一般的な流れが無視されることもあるということです。
社会的に重大かつ内容が曖昧な情報はマーケットに影響しやすいので、注意しましょう。
日経平均20,000円突破など大台を意識して報道するのも、この同調の意識をもってのことです。
まとめ
今回は「投資がうまくいかないなら、お金の心理学を学ぼう【人の心は弱い】」という内容についてまとめました。
プラスを狙う投資をしていくにあたって必要なことは
- 売買する際のルールづくり
- ファンダメンタル(市場動向)の調査
- 行動経済学に基づく人の心理の理解
が大切であると言われています。
この記事で3つの柱のうちのひとつである「人の心理の弱さ」が、この記事で学べたならばありがたいです。
FXの自動売買でルールを決め、心理状態に関係なくコツコツと資産形成していきましょう。